こんにちは、コムヨシです。
大変お待たせ致しました。待望のコロンビアシリーズの更新です。
前回までのあらすじを簡単に振り返ってみると、
- 住んでた教会に近い私立大学で語学学校に通っていた
- クラスは外国人ばかりで授業以外でスペイン語を使う場が少ない
- 国立大学の聴講生として通い始める
- 日本人が珍しいから友達はすぐできた
- 下ネタは世界共通の言語である
- 講義が難しすぎてついていけず、構内をうろつくようになる
- 体育館の入り口にある売店を見つける
- 売店のおばちゃんドーニャ・テレサと出会う
- 2,3人の若者に声をかけられる
といった感じでした。ドーニャ・テレサおばちゃんとの出会いが先か、若者に声をかけられたのが先だったか、ちょっと曖昧ですが、いずれにせよこんな流れです。
チーノかハポネスか
若者がボクにちゃちゃを入れてきます。前回も書いたように、特に気にしないで通り過ぎようとしていました。
人見知りなんで、1対1ならまだしも、多勢も待ち受けている戦場に一人突っ込む勇気はありません。
興味はありましたが、通り過ぎるつもりでした。だって訳も分からずいじられて終わるだけだから。
「チーノ」
という単語が聞こえてきます。
チーノとは、スペイン語で中国人のことです。八戸にあるアレではありません。
いわゆる黄色人種と呼ばれるアジア人のことを、彼らは総じて「チーノ」と皮肉を込めて呼びます。それがあまり面白くないので相手にしません。
でも今回はちょっと違いました。
「ノー、ハポネス!」
という声が混ざっています。
ハポネスとはローマ字で「JAPONES」と書きます。
なんだか想像出来ますよね。そう日本人のことです。
つまり、
「いやちがう、日本人だよ!」
と、言ってくれた人がいたんです。
その彼は明らかにボクが日本人だということをわかっていたようでした。どうやらテレサおばちゃんから聞かされていたみたいですね。
ということは、ボクはこれより以前にテレサおばちゃんと知り合ってたことになりますかね。多分その流れでしょう。
日本人という単語が聞こえて来て安心したのは、理由があります。
チーノという単語は、ある意味中国人をバカにしている様な単語ですが、コロンビア人は日本人に対してとても尊敬の念を抱いています。リスペクトしてるんです。
日本が誇る自動車メーカーをはじめ、日本の高度な技術や経済、そしてそれを創り出す日本人の心は、遠くコロンビアの人たちにも届いているようです。
そのことはなんとなく聞かされていたので、日本人だと分かっているなら、突っ込んでみようと思えたのです。
日本のみなさん本当にありがとうございます。
日本人はみな柔道か空手が出来ると思っている。
これはマジです。
そんな日本人にあこがれて、柔道や空手を習っている人がたくさんいます。
その時出会った兄ちゃんの一人、ジョナタンも空手を習っていると言っていました。
ボクは日本について色々な質問をされました。
でも、その質問のほとんどに答えることが出来ませんでした。
スペイン語ができなかったのも理由の一つですが、そもそも質問に対する答えをもっていなかったのです。
例えば
「忍者ってなんだ?スパイか?」っていう質問。
今なら、それなりの答えはもっているんですが、当時のボクは、忍者について考えたこともなく、時代劇にでてきて屋根裏とかに潜んで暗殺とかするやつ。っていうイメージで、つまりそれはスパイってことなんですけど、ボクはよくわかっていなかった。
忍者は忍者だろ。
それくらいのもんでした。当時20歳とはいえ、恥ずかしい限りです。
こんな調子で色々な質問をされたんですが、ことごとく答えられない。
「知らない。わからない。」としか答えられない。
ジョナタンにこんなことを言われました。
「ヨシは日本のことを何も知らない」
何も言い返せませんでした。
でも、それがボクにとっての一番の財産かもしれません。
日本のことを何も知らないということを知るためには、日本以外の国に行かなければ分からないことだからです。
何かと比べた時にしか違いというものは分からないものです。比べたときに改めてそのものの良さに気づけるものです。
そんなことを何日か繰り返していたある日、ジョナタンが真剣な顔をして
「ヨシ、メイソウヤメ!」
ボク「??」
「メイソウヤメ」
ボク「メイソウヤメ?」
ボク「メイソウやめ?」
ボク「瞑想止め?」
ボク「ジョナタン、どういうこと?」
ジョナタン「ヨシが、瞑想してるのかと思って。」
あなたはこのやりとりの意味がわかりますか?
私の顔を見たことある人はなんとなくわかるかもしれませんが、私はいわゆるモンゴロイド顔で、目が細く小さい。
コロンビアにはこんな目をした人はまずいません。
先述したように、コロンビア人は大抵の人が柔道か空手を習っていて、練習の始めと終わりに必ず瞑想をするそうなんです。
つまり遠回しに、私の目が小さいということをからかった冗談だったんです。
それに気づいた時はさすがに私も爆笑しました。上手いこと言うなあと。
って、誰が瞑想中やねん。
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